2009年10月08日

利休にたずねよ

山本兼一さんの「利休にたずねよ」を読みました。予想していた深遠な世界とは異なり生々しい心理描写で驚きました。利休も秀吉も私たちと同じ「人」として捉えられ、悩みや嫉妬、心の機微がリアルに迫ってくる小説でした。このような書かれ方は試みとしても面白く、近々もう一度読み返してみようと思います。

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2009年10月02日

村野藤吾建築案内

「村野藤吾建築案内」の最終チェックに伺いました。私も「村野建築の紐解き方」というところを受け持ちましたが、元所員として全体のチェックもお手伝いしています。それにしても村野先生は凄い・・・自由自在、作品数も多様性も世界的にも他に類をみない建築家でしょう。作品一つ一つが魅力的であること言うまでもありませんが、整理されてそれぞれ比較できる編集方法、未発表作品も加わり優れた本になることは間違いありません。出版が待ち遠しいことです。

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2009年09月30日

帚木蓬生さんの本

帚木蓬生さんの最新刊「水神」を読みました。水に恵まれない土地に5人の庄屋が家財と命をなげうって水を引く大工事をする物語です。庄屋、百姓、藩の役人がそれぞれ葛藤を繰り返しながら工事を完成させる、今で言えば「公共工事」になる訳ですが、ダム問題が取り上げられている昨今是非、前原大臣や関係する方々にも読んで頂きたい本です。以前読んだ「国銅」も大仏建立という国家事業としての公共工事の物語でしたが、国家という大儀の中で翻弄される民の切なさ、儚さが心に残る物語でした。

水神 上.jpg 水神 下の2.jpg  国銅 上.jpg 国銅 下.jpg

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2009年09月25日

聖灰の暗号

以前、ダン・ブラウンの「ダビンチコード」がベストセラーになりましたが、映画のシナリオを読まされているようで自分にとっては・・・何故そんなに人気があるのか判りませんでした。同じキリスト教の歴史に踏み込んだサスペンスとして帚木蓬生さんの「聖灰の暗号」はリアリティーがあり、キリスト教のタブーに踏み込んだ大変面白い小説でした。ローマ教会に徹底的に弾圧された「カタリ派」火炙りになりながらも信仰を捨てなかった歴史の古文書を偶然地方の市立図書館で発見することから物語ははじまります。お勧めです。

聖灰の暗号 上.jpg 聖灰の暗号 下.jpg

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2009年09月12日

インターセックス

帚木蓬生さんの小説を久しぶりに読みました。「インターセックス」の前編のあたる「エンブリオ」は最新医療とそれに関わる人々の野望が渦巻き地位欲、金銭欲、神の領域に到達したいという欲望が絡み合い医療サスペンス小説として読み物として面白いだけでなく人間としてのモラルを考えさせられました。そして今回の「インターセックス」では、今まで語られたことのない領域に踏み込んで更に深さを増し「人間とは何か」という問いをつき付けられる思いがします。

インターセックス.jpg  エンブリオ上.jpg  エンブリオ下.jpg

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2009年09月10日

オーパ

最近再販されたのを見かけて久しぶりに読みなおしました。ピラニアのアップの写真が表紙でインパクトがあります。この本は確か十歳頃に買った始めての大人の本ですが、その時から開高さんのファンになり今も続いています。この本を手にしてからアマゾンは訪れてみたい憧れの河になりました。

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2009年09月05日

道の先までいってやれ!

石田ゆうすけさんの最新本を読みました。国内の自転車旅行の本ですが、石田さんは感受性と表現が豊かですからやはりとても面白く読ませて頂きました。学生時代の休みにはテントと寝袋を括り付けて自転車で旅をしました。特に北海道は何度も訪れ美しい景色を眺めながら風の音しかしない中を疾走した記憶がよみがえります。

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2009年09月01日

山本兼一さんの本二冊

弾正の鷹
 

この本は山本兼一さんの短編集ですが、全てが信長暗殺についての物語です。山本さんの並々ならぬ信長への興味と拘りが感じられます。絶対的な強さ、冷淡さ、そして本能寺での死と神秘的で謎めいたカリスマに心を惹かれてしまうのは何故でしょうか。

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いっしん虎徹

虎徹については以前、色々教えて頂いたことがあってずっと興味を持っていました。甲冑の鍛冶から刀鍛冶になった異色の人で、この小説はその人生を綴ったものです。時代や周囲に翻弄されながら自らの信念に忠実に生きた虎徹の物語に心を打たれました。叔父であり同じ甲冑鍛冶の才市や師匠の兼重より虎徹が言われた言葉が心に残りました。「仕事は下手がいい」「下手なやつほど手を抜かずにやる。ありがたいことに鉄はそんな男が好きだ。下手のままでいろ」と。

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2009年08月25日

相克の森

この本は「邂逅の森」の前編にあたる小説です。最初は気が付かずに読み進めていましたが、最後に話が繋がります。更に「氷結の森」へと繋がり三冊にまたがる大変な長編小説であることが判りました。私の曾祖父、父方の祖母の父が北海道で猟師をしていたと聴いたことがありますが、この小説に心引かれるのは曾祖父のDNAが刻み込まれているからかもしれません。

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2009年08月22日

漂泊の牙 その2

この小説には「サンカ」という民が出てきます。狩猟を生業にした漂泊の民ですが、現在はほぼ忘れ去られています。「サンカ」については、亡くなった村野漾さんからお酒の席で色々と教えてもらいました。狩猟の民サンカ、農耕民族とは違う日本人のもう一つの流れとして興味は尽きません。

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2009年08月21日

漂泊の牙

熊谷達也さんの「漂泊の牙」を読みました。前回読んだ「邂逅の森」はここ数年間読んだ小説の中では一番面白い本でしたので、熊谷さんの本はなるべく読み惜しみしながらちびちび開きたいと思いました。獲物を追う主人公の執念、自然の描写は迫るものがあります。

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2009年08月11日

「悠々として急げ」

開高さん曰く「古語に《フェスティナ・レンテ》という“悠々として急げ”の意である。もとはこれ、大様の治政の座右の銘だったと伝えられているが、庶民の必須の心得としたいものである」と、本の書き出しにあります。この言葉に惹かれて最近古本屋で入手して読みました。だいぶ前に書かれたにもかかわらず今でも十分参考になることが書かれています。排泄物を資源として見直す話や、独自の価値観で生きている人達の愛嬌ある話は熟成したウイスキーのようです。

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2009年08月06日

世界平和記念聖堂

今日は原爆の日ですが、広島には私の最も好きな建築の一つ「世界平和記念聖堂」があります。原爆犠牲者の鎮魂と平和記念のために建設されました。最初の出会いは二十歳の頃、とても不思議な印象を受けました。深みのある造形と陰翳の美しさに心打たれました。この建築が造られた経緯はとてもドラマチックで、石丸紀興さんの著書「世界平和記念聖堂」に詳しく書かれています。是非皆さんに読んで頂きたい本です。

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2009年08月04日

石田ゆうすけさん その2

「洗面器でヤギごはん」を読みました。“食”は体の中に直接入れる大地そのものといった感じがしました。釣りきち憧れのユーコン川をはじめ各地で釣った魚を食べたこと、フィンランドの野一面のブルーベリー、その土地で泊めてもらった家で出された食事の温かさや人々の思いやり、中東からアジアの食文化に変わる時に「帰ってきた」と感じたことなど自転車での旅でなくては経験できないエピソードがとても魅力的です。

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2009年07月30日

「火天の城」を読む 

本兼一さんの「雷神の筒」に続いて最近文庫化した「火天の城」を読みました。ここ最近読んだ小説では一番面白い本でした。安土城を建てた棟梁の話ですが、気仙大工棟梁の家系の私としては血が熱くなるような小説でした。ライブ感があり引き込まれれてしまいました。山本さんの専門知識にも舌を巻きます。小説に出てくる建築はとかく「ちょっと違う・・・」ということがあるのですが、逆に当時の職人の技や現場の風景が目に浮かぶようでした。

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