2018年03月30日

山裾に建つアトリエ住宅

山裾に建つ芸術家のアトリエ住宅の建て方がありました。


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複雑な形状をしているため、上棟まで二日を要しました。


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特殊な納まりが随所にあるため、難易度の高い作品です。

施工は八大建設、監督は社寺をはじめ伝統建築のエキスパートSさん。

棟梁は宮大工のMさんという豪華メンバー。


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この場所に建っていた茅葺の民家を200年以上支えた大黒柱、

その柱の束石を玄関柱の束石へ。


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石の顔をみて位置を調整、ひかって(石に合わせて削って)据付ました。


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色々と盛り沢山の住まいです。これからブログで紹介してゆきます。

posted by 佐藤健治 at 18:06| 和モダンについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月26日

2017年12月25日

竣工写真・その1 都市の山居

ホームページにアップするのが先になりそうですので、まずはブログにアップします。

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2017年08月05日

今日、簾の取り付けに立ち会いました。

簡単なものですが、感じは大分変わります。

最も魅力的な効果は陰翳、柔らかくなり気品と落ち着きが生まれます。


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簾を通り“透かされた”光は室内に美しい影を落とします。


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風がある日はゆらゆらと揺れて、これもとても美しい。


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日本の伝統美、数寄屋には欠かせない設えです。

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2016年12月28日

和風に思う − 割り切らないということ

モダニズムの思想では、プライマリー(明快)な形態が最も美しいとされていますが、本当にそうでしょうか?


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数寄屋の“数寄”は様々な意味が重なって一つの言葉になっていますが、その中に“奇数”が含まれるといわれています。つまり、割り切れないということ。それは思想的にも非常に重要であり、設えに一つから小物に至るまでどの意匠にも現れています。


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明快な建築は向こうから「このように見て欲しい、感じてもらいたい」と饒舌に語りかけてきます。見る者にとっては非常に受動的です。


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一方、数寄屋は陰翳を生かして線や形をぼかします。極力あいまいにすることが、思想的に大切であり美意識と言えるでしょう。それは、見え方を見る者に託すと言うことです。自由に感じてもらい受け入れてもらうという“茶”の考え方に則っているからです。


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IT化や国際化が進む中で、知らず知らずの間に尊いものが失われてゆくことは非常に残念です。「あいまいな美」と言う考えは、我々日本独自のものであり最も大切にしたい高度な美の伝統なのです。


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矩須雅建築研究所は本日仕事納めです。今年一年有難うございました。よいお年をお迎え下さい。

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2016年12月27日

和風の意味 − 風土に根ざすということ

白浜の家


震災から5年を経た4月、ようやく高台の敷地に引渡しがありました。翌5月着工、10月に竣工しました。


敷地は白浜の背後にある高台で、正面に雄勝の山々を望む追波湾を一望、雄大な北上川と交わります。


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十三浜にはこの地ならではの仕来りや伝統色濃く残っていましたが、時代の流れや津波によって、長い年月の間に育まれた大切なものの多くが消えてしまいそうです。


嘗ては対岸の雄勝で産出される天然スレートで葺かれた入母屋大屋根の連なる美しい家並みの集落が十三、それぞれの入江ごとにありました。リアス式海岸の起伏のとんだ崖や森に囲まれた小さな扇状地に連なる家々は独特の美と存在感を醸し出していました。


この地域では敷地の奥中央に母屋、その矩折にこま屋といわれる付属屋(納屋)が配されます。漁業、農業、林業を生業とするため、こま屋は作業スペース、倉庫、貯蔵庫を兼ねた役割を持っています。


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伝統的に母屋は南向きで、広い土間の奥に囲炉裏のある広い板の間、東側に広縁、奥に畳の間があり、仏壇の上に大きな神棚が祭られています。西側が厨房で外に魚を捌く流し、こま屋と繋がります。家長は横座という囲炉裏の東側に座るのが慣わしになっています。


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この「白浜の家」はこの仕来りや習慣を大切に、且つ現在のライフスタイルをバランスよく融合した住まいです。更に家の“格”も重要視されるため、姿も伸びやかで、風格のある堂々としたものでなければなりません。


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新たに形成された高台では様々な事情により、大切に育まれてきたことが無くなってしまったように感じられます。白浜の家はDNAを受け継ぎ、その豊かさを後世に伝えたいと願い共に造り上げた住まいなのです。


posted by 佐藤健治 at 17:52| 和モダンについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月12日

和モダンの魅力 − 「深み」について考える

「黒」といってもイメージする色は十人十色、塗装色から墨の濃淡、漆の漆黒、陶器の釉薬と、どれだけあるのでしょうか。逆の色「白」も同じ、建築の素材で言えば漆喰、障子、絹木綿などがイメージされると思います。

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日本人は色一つとっても様々な感じ方ができる感性の豊かな民族だと思います。更にはその物の表面的な色や質感の奥に別の色を感じたり、墨の濃淡だけでも後ろに奥行きや広がりを感じたり、例えば漆喰の白の奥に影や闇を感じたりと“深み”に対してとても敏感です。住まいに対しても同じで、和風や和モダンではその“深み”が求めらていると思います。ではどうすればそれを実現できるのか、繊細なことですので簡単には言えませんが、最も大切なことを一つだけあげるとすれば“心地よい暗さ”でしょうか。ただ「真白で大開口、陽光あふれる」では、しっとりと“深み”のある落ち着いた住まいにはなりませんからね。


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posted by 佐藤健治 at 14:51| 和モダンについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月27日

和モダンの魅力 − 「間」について考える

日常よく使う「間」という言葉、「間が良い、悪い」とか「間が持つ、持たない」とか。建築では空間について語る時に使われますが、この「間」と云う言葉は私達日本人の感覚を表現する言葉として大切な役割を担っています。人を評する時に使ったりしたり、物や時間、寸法としても使います。しかし、それはあまりに感覚的で日本人にしか理解できない言葉かもしれません。もし外国の方に説明するとすればそれは「間隔」ということになってしまい、本質的な意味からは少し外れてしまいます。

能は完成された「間」の芸術として知られていますが、表現は直接的ではなく、設え、演者の動き、付ける面などに意味を持たせ、舞台の上で抽象的に形作られる「間」によって深い思想を読み取ってもらう、感じてもらうという方法をとっています。舞台、演者、観客その全てに「間」が介在することによって“幽玄の美”として完成しているのです。

この幽玄の美を建築に取込んだのが茶室です。この狭い空間で行われる設えや所作には能と同じように様々な意味があって、その全てに「間」の概念が生きています。空間と時間、亭主と客の心が重なり合ってはじめて完成される美です。


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和モダンで使われる「和」と言う言葉、この一言に様々な意味が込められていますが、その中でも日本人として最も惹かれるのが、この「間」の概念ではないでしょうか。住まいにとって空間的なことはもちろん家族や近隣との関係に至るまで、「間」が如何に大切で生活を豊かにしてくれるものであるか私達は知っています。私も建築家として日本人だけに与えられたこの素晴しい感性を何時も大切に、設計を通して探求してゆきたいと考えています。


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posted by 佐藤健治 at 17:33| 和モダンについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月24日

国立の家の撮影 − 和モダン

国立の家のコートにガラス屋根をかけました。

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喜んで頂き嬉しいかぎりです。この屋根だけですが竣工写真撮影、立会いをしました。この「国立の家」も和モダンです。

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来客が多く、海外からのお客さんも来られるので、「和」の心を感じて頂きたいという思いで外観や玄関を設えました。

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外観はアプローチから見上げになるので、城のイメージもデザインに取込みました。この日は風もなく最高の撮影日和でした。

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2014年03月19日

和モダン − 北欧モダン

2011年だったか、旭硝子の建築家のサイト「アーキテクトルーム」

 https://www.asahiglassplaza.net/gp-pro/column/hello/room/topic/672.htm 

で「和風のすすめ」と題して和モダンについてコラムを書きましたが、いったい何をもって和モダンなのか?
このことを考える時にいつも比較するのが「北欧モダン」、2003年の旅(ストックホルム→フィンランド各都市)は北欧ならではのモダン建築をみるというものでした。
ストックホルムのアスプルンド、フィンランドのアアルトの作品はその場所にあるからこそ魅力的で価値がある建築、風土や伝統、ナショナリズムに根ざした素晴しいものでした。
しなやかで美しく、モダンデザインでありながら深みのある造形や空間に感銘を受けました。

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自分もこの二人の建築家のように“モダン”であっても風土やナショナリズムを大切に「和」の思いを込めて設計したいと考えています。

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posted by 佐藤健治 at 17:44| 和モダンについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月15日

和モダン − 数寄屋モダン

以前、「町屋和モダン」について書きましたが、矩須雅建築研究所では「数寄屋モダン」の作品を幾つも手掛けています。数奇屋は茶の湯の空間として安土桃山時代にピークを迎えた茶室や茶道の思想により造られた建築を云います。千利休作と伝わる茶室「待庵」から壮大な桂離宮まで空間性や規模は様々ですが、美意識や根幹は同じです。簡単に言ってしまうと「間」、日本人の持つ究極の美意識といったところでしょうか。演劇で云えば「能」、庭園で云えば山水庭園と云えば解りやすいでしょうか。

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能舞台の橋掛かりからイメージした玄関

数寄屋の魅力はなかなか一言では語れませんが、強いて云えば流れるような空間と空間、時間と時間のつながりと、軽やかさの中に深みのある佇まいでしょうか。それは何れも建築家としても離れることのできない魅力です。既にDNAに刻み込まれていますね。

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    数寄屋の連続性を意識して設計したLDK

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2014年03月14日

和モダンの家具

和モダンの家具というと“民芸調”のイメージを持たれる方が多いと思います。建築での和モダンのイメージとはだいぶ違いますね。ヨーロッパでは建築家が家具のデザインをすることが普通なのですが、日本で家具デザインをする建築家は私を含め本当に少数派なので、空間に合った和モダンの家具がなかなかないのが残念です。シンプルで低めのイタリア製のソファーが和モダンの空間にはよく合うので使ったりしますが、実はこのような家具も“禅スタイル”というコンセプトでつくられた和モダン家具だったりします。

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矩須雅建築研究所は、家具は生活を豊かにする“アートピース”であるべきだと考えています。美しい曲線や形、質の高い皮や布の椅子を毎日使うなんて豊かですよね。「武蔵」はそんな思いをこめてデザインしたシリーズです。ウイスキーを楽しむための椅子とテーブルからはじまり、シリーズ化しました。椅子は体に一番近い建築、とても大切なものです。一生の付合いになるようなお気に入りの家具と出会えたら幸せですね。

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posted by 佐藤健治 at 18:20| 和モダンについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月12日

和モダン色々・その1

和モダンといっても、要望や敷地の状況によって様々です。よい住まいを造るためには、まず敷地の可能性を最大限引き出すことがとても大切で、それを深めることで個性的で豊かな空間が生まれます。たとえば間口が狭く奥行きのある敷地の場合でも「町屋和モダン」というコンセプトで解決、立体的に考案して更に面白く。

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ご存知の通り京町屋は間口が狭くとても奥行きがありますが、吹抜けがあったり、中庭があったりと、生活の中にとても豊かな空間があります。そして機能的で住みやすく落ち着ける、歴史の中で長い時間をかけて生まれた空間造りには、今の生活でも生かせる知恵や工夫がいっぱいです。そこにずっと居て落ち着き、移動して楽しい、和風ならではの魅力を現在の住まいに生かしてゆきたいと考えています。

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2014年03月10日

和モダンの真、行、草

和風を考えるときに大切なのが「真行草」、漢字やお茶のお手前でおなじみですが、建築で云えば真は神社仏閣、行は書院建築、草は数寄屋や茶室といったところでしょうか。そう考えると「和+モダン=和モダン」にも同じ様に真行草があるはずです。矩須雅建築研究所では案を考える段階から「行」にするか、「草」で進めるか意識しています。空間の重心を下げて、しっとりと落ち着いた空間としたい場合は「行」を意識して、軽やかで空気の流れるような変化のある空間としたい場合は「草」を意識して設計したりします。書斎や音楽のための空間は「行」を、開放的なリビングや浴室の場合は軽やかに「草」の感じでデザインをしています。さらには「行+草」を両方に使って絶妙なところで併せたりと色々工夫しています。このような造り方が「行」、こうすれ場「草」とはっきり言い切ることは難しいですが、意識しながら設計することによって、住まいに「深み」や心地よい「間」が生まれると考えています。「深み」や「間」の概念こそ「和」の本質といえるのではないか考えています。このキーワードについても、これからお伝えしたいと思います。

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2014年03月07日

和モダンについて考える

和モダンについて考えてみます。「和」は説明するまでもなく日本の伝統的な設え、「モダン」は現在のライフスタイルに合ったデザイン、その融合した言葉が「和モダン」です。フィンランドやスウェーデンなど北欧では北欧モダンの建築やデザインがありますが、自国の風土や培ってきたものを現在の生活に生かそうとすることは、とても豊かなことですね。伝統だけでは今の時代や生活になかなか合わないかもしれませんが、“モダン”と融合することによって、明るく軽やかで使い勝手のよいものになったり自由度が高くなったりと、相乗効果でとても魅力的になります。伝統も今も大切にしている矩須雅建築研究所の作品はほとんど和モダンの作品といえますね。一度しっかり整理したいと思っていましたので、これからブログで「和モダン」について色々お話をしたいと思っています。

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