2014年03月27日

和モダンの魅力 − 「間」について考える

日常よく使う「間」という言葉、「間が良い、悪い」とか「間が持つ、持たない」とか。建築では空間について語る時に使われますが、この「間」と云う言葉は私達日本人の感覚を表現する言葉として大切な役割を担っています。人を評する時に使ったりしたり、物や時間、寸法としても使います。しかし、それはあまりに感覚的で日本人にしか理解できない言葉かもしれません。もし外国の方に説明するとすればそれは「間隔」ということになってしまい、本質的な意味からは少し外れてしまいます。

能は完成された「間」の芸術として知られていますが、表現は直接的ではなく、設え、演者の動き、付ける面などに意味を持たせ、舞台の上で抽象的に形作られる「間」によって深い思想を読み取ってもらう、感じてもらうという方法をとっています。舞台、演者、観客その全てに「間」が介在することによって“幽玄の美”として完成しているのです。

この幽玄の美を建築に取込んだのが茶室です。この狭い空間で行われる設えや所作には能と同じように様々な意味があって、その全てに「間」の概念が生きています。空間と時間、亭主と客の心が重なり合ってはじめて完成される美です。


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和モダンで使われる「和」と言う言葉、この一言に様々な意味が込められていますが、その中でも日本人として最も惹かれるのが、この「間」の概念ではないでしょうか。住まいにとって空間的なことはもちろん家族や近隣との関係に至るまで、「間」が如何に大切で生活を豊かにしてくれるものであるか私達は知っています。私も建築家として日本人だけに与えられたこの素晴しい感性を何時も大切に、設計を通して探求してゆきたいと考えています。


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posted by 佐藤健治 at 17:33| 和モダンについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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