2016年12月28日

和風に思う − 割り切らないということ

モダニズムの思想では、プライマリー(明快)な形態が最も美しいとされていますが、本当にそうでしょうか?


DSC03085.JPG


数寄屋の“数寄”は様々な意味が重なって一つの言葉になっていますが、その中に“奇数”が含まれるといわれています。つまり、割り切れないということ。それは思想的にも非常に重要であり、設えに一つから小物に至るまでどの意匠にも現れています。


DSC03095.JPG


明快な建築は向こうから「このように見て欲しい、感じてもらいたい」と饒舌に語りかけてきます。見る者にとっては非常に受動的です。


DSC03068.JPG


一方、数寄屋は陰翳を生かして線や形をぼかします。極力あいまいにすることが、思想的に大切であり美意識と言えるでしょう。それは、見え方を見る者に託すと言うことです。自由に感じてもらい受け入れてもらうという“茶”の考え方に則っているからです。


DSC03008.JPG


IT化や国際化が進む中で、知らず知らずの間に尊いものが失われてゆくことは非常に残念です。「あいまいな美」と言う考えは、我々日本独自のものであり最も大切にしたい高度な美の伝統なのです。


DSC03103.JPG


矩須雅建築研究所は本日仕事納めです。今年一年有難うございました。よいお年をお迎え下さい。

posted by 佐藤健治 at 16:12| 和モダンについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
矩須雅建築研究所Official Website